社説

ビットコインでもアービトラージ(裁定取引)ができるのは本当か?

アービトラージ(裁定取引)をご存知でしょうか?

アービトラージとは、取引対象とするものが同じであっても、市場が異なることによって発生する価格差や現物取引の価格と先物取引の間に発生する価格差を利用して利益を得る投資方法を指します。

アービトラージは、株式や為替、金利、債券、コモディティ(金や石油など)などの市場で用いられていますが、ビットコインなどの仮想通貨取引でも用いられているのでしょうか?

答えは「YES」です。

株式の場合は証券取引所に上場されている株券を、証券会社を介して取引を行うため一定の価格に統一されていますが、ビットコインなどの仮想通貨市場の場合は統一されていません。

ビットコイン市場の場合は証券取引所のような中央機関が存在せず、各取引所において取引所が保有しているビットコインの取引が行われるため、価格差が生じてしまうのです。

そのため、その価格差を利用したアービトラージ投資がビットコイン市場でも行われています。

どのような仕組みで利益を出すことができるのか?

仮想通貨法が2017年に制定されてから取引所は登録制となり、現在は11社が認可を受けており今後ますます増えていくことになるでしょう。

ビットコインはそもそも投資目的として開発されたものではなく、海外送金や決済手段の1つとして開発されました。

そのためこの仕組みを利用すれば、取引所によって生じる価格差を利用して価格が安い取引所でビットコインを手に入れ、価格が高い取引所にビットコインを送金し売却することができます。

具体的な方法を「みんなの仮想通貨」の画面を参考にシミュレーションしてみましょう。因みにですが、みんなの仮想通貨は2018年2月現在、金融庁の許可を取得しておらず、みなし業者となっています。

みんなのビットコインの取引所ごとのレート画面

画面に表示されているのはある日の仮想通貨の取引状況です。ビットコインの売値と買値は取引所によって異なっており、統一された価格で取引が行われていません。

この取引時間の場合には、bitFlyerで917,999円で購入したビットコインをbitbankに送金して売却することで924,175円との差額の6,176円を得ることができます。

その数分後の取引の様子を見てみましょう。

みんなの仮想通貨取引所のレート画面

bitbankが最高値を付けていることに変わりはありませんが、最安値がbitFlyerではなくBTCBOXに変わっており、先ほどと比較するとアービトラージの価格差が2,000円ほど小さくなっています。

アービトラージは取引所における価格変動の誤差を利用した取引になるため、時間の経過とともにその誤差の修正が行われるため、いつまでも価格差が大きいわけではありません。

今回の場合で言うと、数分前にともに最高値・最安値であったbitbankとbitFlyerの価格が他の取引所に近付く状態になっていることがわかります。誤差の修正(利ザヤを狙った取引)が即座に行われてしまうため、利益を最大限に活かすためには以下の条件が必須と言えるでしょう。

  1. 最安値の取引所にすぐ買い注文を出す
  2. 入手したらすぐに最高値の取引所に送金する
  3. 最高値の取引所にすぐ売り注文を出す

言葉で表現するのは簡単ですが、慣れないうちは送金先のアドレスや金額などを入力しているとあっという間に価格差が狭まっていってしまいます。何とかしてこの稼げる投資法を最大限に活かすことはできないのでしょうか?

楽なものほど裏がある?自動取引ツールの存在

アービトラージの仕組みをうまく利用したいと考えた開発者たちが、アービトラージ取引の自動取引ツールを開発しました。

自動取引ツールのメリットは以下の通りです。

  1. 取引のタイミングを見計らい代理で取引を行ってくれる
  2. アドレスなどの入力ミスを減らすことができる

自分自身で入力を行う必要がなくなりスムーズに取引が行えることから、全ての入力を終える頃には価格差が小さくなってしまい、思うような利益を出せないということはありません。

では、自動取引ツールのデメリットはどうなのでしょうか?デメリットは以下の通りです。

  1. アービトラージ取引を行える取引所の選択数が少ない
  2. システム障害などが生じた場合の保証がない

自動取引ツールはシステムエンジニアや一般人など様々な人達によって開発が行われ、無料や買取といった形で提供されていますが、基本的には保証は行われておりません。そのため、何らかのエラーによって大幅な損害が生じたとしても誰も保証してくれないというのが最大のデメリットになるでしょう。

アービトラージの魅力

実際にビットコインのアービトラージ(裁定取引)を観察してみると、まだまだ価格差が大きくなるタイミングが生じているので稼げる投資方法であることに間違いありません。そこには速やかに取引を行うことができる知識や経験が必要になるため、自動取引ツールを活用するのも1つの手段だと言えます。

ただし、自動取引ツールを利用し何らかのトラブルが生じたとしても、誰も保証してはくれないため最悪の事態が生じるかもしれないということは頭の片隅に置いておいた方が良いでしょう。

ビットコインは他の仮想通貨と比較して取引参加者が多いのが魅力的ですが、いろんな仮想通貨のアービトラージを観察してみて、稼げる通貨を見つけることが成功するための近道になります。アービトラージというローリスクで利益を得やすい投資法をうまく使いこなし、利益を積み重ねていきましょう。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

The following two tabs change content below.
ビットコイン新聞社編集部です。どんな生活をしている人間がこのサイトを運営しているのか気になる人はインスタグラムをご覧ください。編集部の日常を公開しております。仮想通貨の運用は全員合わせても3000万円程度です。保有銘柄はBTC、BCH、BTG、XRP、LTC、ADA、DOGE、ETH、XMR、XEM、TRX、XP、PAC、TIRG、その他には「Bankera」などのICOにもたくさん投資しております。

関連記事

  1. 合コンに仮想通貨のQRコード入りTシャツを着て来た奴がいたら我々はどう…

  2. 仮想通貨は1000種類超!?今注目の通貨や役割をご紹介!

  3. ビットコインとは一体なんなのか?

  4. ビットコインの基軸通貨としての可能性は?

  5. 仮想通貨のコールドウォレットとホットウォレットの違いとは?

  6. ビットコインは投資商品?それとも決済通貨?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Optionally add an image (JPEG only)

最近の記事 おすすめ記事

Official Twitter

PAGE TOP

国内取引所

【超危険】bitFlyerで3BTCに満たない送金で口座凍結され出金拒否?

KOKPlay

KOKPlayウォレット運用収支公開 | 2023年1月11日

アルトコイン

2023年版 | KOK Playの出金方法を解説します(日本語ページ)

社説

出川組 VS 剛力組の抗争勃発か!?仮想通貨取引所の仁義なき広告戦争!!傍観する…

社説

確定申告の時期到来!ビットコイントレードにおける利益が出ている場合について

社説

ビットコインでもアービトラージ(裁定取引)ができるのは本当か?

アルトコイン

仮想通貨取引所「コインチェック」業務改善計画提出後の記者会見まとめ

アルトコイン

【悲報】ハッキングされた仮想通貨NEMが今でもダークウェブで購入できる状態に!?…

草コイン

【速報】XPがBITINDIA(ビットインディア)取引所の上場投票で上位獲得中!…

社説

あなたはネカマを見抜けるか?仮想通貨ブロガーにネカマが繁殖した理由とは?