社説

「サザエさん」のアニメから磯野家のビットコイン相続税について考える

ビットコインなどの仮想通貨資産を持っている人は、相続税が仮想通貨にさえも課せられるのか気になっているのではないでしょうか。ビットコインの相続税に関して、「サザエさん」のアニメから磯野家の家長の磯野波平が100BTCを所持しており、他界した場合の相続税について考えてみます。

ビットコインなどの仮想通貨に相続税は課せられるのか?

まずはビットコインになどの仮想通貨に相続税は課せられるのかどうかです。これに関しては、金融庁が2016年2月に、見解として貨幣機能がビットコインなどの仮想通貨にもあるということを示したので、ビットコインを持っている人が亡くなった際には、今後相続税の課税対象になる可能性が大きいと考えられます。

しかし、相続税の課税対象になるには、ビットコインを相続人が使用できない恐れがある、ビットコインの価値が変動するなどの課題があり、簡単ではないでしょう。

磯野波平がビットコインを100BTC持っていて死亡した場合

それではサザエさんの磯野家の磯野波平がビットコインを100BTC持っていて亡くなった場合を例にとって計算してみます。

サザエさんの磯野一家が住んでいる「あさひが丘駅」は、東京都世田谷区桜新町の付近になっています。アニメや原作のマンガにおいて、現在の桜新町である「東京都世田谷区新町」と磯野家の住所がなっていることが何回もあり、さらに、この住所には長谷川町子氏というサザエさんの原作者の長谷川町子美術館が現在あり、以前は「姉妹社」というサザエさんの出版元があったことからも、東京都世田谷区桜新町が磯野家の住所と考えてもいいでしょう。

磯野家の住所が「東京都世田谷区桜新町1丁目30-6」の長谷川町子美術館があるところと仮定すれば、1㎡あたり45万円くらいが路線価というこの土地を相続する場合の評価額のベースになります。

磯野家は何㎡の敷地があるかが問題になりますが、敷地については、いろいろな人が間取りをベースにして計算したものを考慮すれば、有力な説としてはだいたい300㎡くらい(約90坪)です。そのため、土地の評価額としては、300㎡に45万円を掛けた1億3500万円になります。

しかし、相続税を計算する場合は、特例として「小規模宅地等の評価減」というものがあり、居住するために被相続人などが使っていた宅地などについては、240㎡以内であれば、評価額が80%になります。

つまり、相続する時の土地の実際の評価額としては、240㎡以内の場合が240㎡×45万円×0.2=2160万円、240㎡をオーバーする60㎡の場合が60㎡×45万円=2700万円になり、2160万円と2700万円を合計した4860万円になります。

当然ですが、住宅の固定資産税評価額がプラスされますが、建築してから年数が相当経っていると考えられるため、それほどこの評価額は高くならないでしょう。

普通のサラリーマンが亡くなった場合は、一般的に、最も相続財産の大きなものは居住用の住宅や土地になります。これに現金資産の貯蓄や退職金など、金融資産の国債や株、仮想通貨というようなもの、現物資産の金などがプラスされて相続財産になります。

財産として住宅と土地以外にどの程度磯野家の磯野波平が持っていたかははっきりしませんが、亡くなったのが定年退職した後とすれば退職金として2000万円~2500万円くらいはもらっていると想定されます。

また、ビットコインを100BTC持っていて亡くなったということで、1BTCが約200万円(2108年1月1日)とすれば、約2億円になります。
ここでは、住宅の評価額は0円、債務がなく、相続財産としてはこうなります。

  • 土地の実際の評価額が4860万円
  • 退職金が2000万円
  • ビットコインが20000万円

合計が2億6860万円としましょう。

磯野家の家族構成と法定相続分の計算

まず、磯野家の家族構成です。磯野家の主人は、54歳のサラリーマンの磯野波平です。妻は、53歳の磯野フネです。夫婦には3人の子供がおり、長女はサザエという24歳の専業主婦のアニメの主人公です。長男は小学5年生の11歳の磯野カツオ、、次女は小学3年生の9歳の磯野ワカメです。

また、サザエの夫は32歳のサラリーマンのフグ田マスオ、この夫婦の子供は3歳のフグ田タラオです。磯野家の家族構成は、このように2世帯の7人です。磯野家の主人が亡くなった際の法定相続人は、妻のフネ、子供のサザエ、カツオ、ワカメになります。
法定相続分としてはこうなります。

  • 妻のフネが1/2
  • 子供のサザエ、カツオ、ワカメが1/2の1/3ずつ

磯野家の主人の相続財産の基礎控除額

磯野家の主人の相続財産の基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の数であるため、3000万円+600万円×4人=5400万円になります。磯野家の主人が亡くなった場合、5400万円の基礎控除額に対して、相続財産の合計が2億6860万円であるため、2億1460万円に対して相続税が課税されます。

2億1460万円の相続財産の法定相続分

  • 妻のフネが1/2の1億730万円
  • 子供のサザエ、カツオ、ワカメが1/2の1/3ずつの約3576万円

実際の相続税

  • 妻のフネが1億730万円×0.4(40%の税率)-1700万円(控除額)=2592万円
  • 子供のサザエ、カツオ、ワカメが約3576万円×0.2(20%の税率)-200万円(控除額)=約515万2000円ずつになります。

相続税が課税されるような財産がないということで、相続税対策を生前に行っていない人が多くいます。しかし、今からは磯野家のような普通のサラリーマンの場合でも、相続税対策を生前に行う必要があると言えます。

相続税の速算表
課税価格 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

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ビットコイン新聞社編集部です。どんな生活をしている人間がこのサイトを運営しているのか気になる人はインスタグラムをご覧ください。編集部の日常を公開しております。仮想通貨の運用は全員合わせても3000万円程度です。保有銘柄はBTC、BCH、BTG、XRP、LTC、ADA、DOGE、ETH、XMR、XEM、TRX、XP、PAC、TIRG、その他には「Bankera」などのICOにもたくさん投資しております。

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