社説

ビットコインの価格変動が激しいのは市場規模や流動性が関係している

ビットコインは、2017年現在、順調に上昇を続けているといえます。しかし、チャートを確認してみると、日々、乱高下を繰り返しており、値段が安定しているとは、とてもいえません。今回は、なぜビットコインは価格変動が激しいのかを確認してみます。

ビットコインの市場規模

ある投資商品の価格変動の激しさを計る目安として、市場規模があります。ビットコインの時価総額は約1000億ドル(2017年10月)といわれており、仮想通貨市場全体の半分より少し多いくらいの額です。一方、日本株時価総額ランキング1位(2017年11月)のトヨタ自動車の時価総額は、20兆円を超えます。ビットコインの時価総額を日本円に換算すると約11億程度です。仮想通貨市場全体の時価総額を20兆円程度と仮定しても、いち日本株であるトヨタ自動車の時価総額と大差ありません。

このことから、ビットコインの市場規模は、メジャーな投資商品と比べると、まだまだ小さいことがわかります。市場規模が大きくなればなるほど、1取引が価格に与える影響は小さくなってきます。逆に、市場規模が小さくなればなるほど、1取引が価格に与える影響は大きいので、日本株やFXと比べて、ビットコインの価格変動が激しく感じるのは、当然のことなのです。

ビットコインの発行上限と流動性

ビットコインの市場規模を図る際に利用したトヨタ自動車の発行済み株式数は、約32億株(2017年11月)です。このうち、頻繁に取引される浮動株の割合は数%程度だといわれています。仮に、1%で約3200万株、2%で約6400万株ですが、2017年11月の日毎の出来高は約500万株程度で推移しています。この数字からも、日々取引されているのは、全体のごくわずかであることがわかります。

しかし、ビットコインの場合は、システムが決める発行枚数の上限値として、2100万BTCという数値が設定されています。さらに、ビットコインには、4年毎に発行量が半減するという仕組みがあり、2017年現在は既に1600万BTC以上が発行された状態です。このため、上限である2100万に近づくにつれて、今後さらに発行数が減ることになり、年々、市場の流動性は低くなり、ビットコインの確保が難しくなる可能性があります。こうなると、あくまでもビットコインが現在のもしくは、それ以上の価値を保ったことを想定した場合ですが、さらに価格の高騰が激しくなる可能性があるのです。

価格変動を抑制する仕組みがない

ビットコインの価格変動が激しい、もうひとつの理由が、価格変動を抑制する仕組みがないことです。価格変動の抑制とは、投資商品の値幅制限に該当する仕組みを指しますが、日本株におけるストップ安・ストップ高。先物取引におけるサーキットブレーカーなどが有名です。

ビットコインの過去のチャートを確認してみると、1日に2割以上の価格変動を記録したこともあります。この価格変動の大きさには、値幅制限が設けられていない点も関係しているといえます。

bitFlyerのサーキットブレーカー制度

国内有数のビットコイン取引所であるbitFlyerですが、ビットコインの急激な価格変動によるリスクを受け、仮想通貨取引所初となるサーキットブレーカー制度が導入されました。基準価格の上下20%の値幅制限があった場合、取引を数分程度中断時間を設けるというものです。

このように、より安全な取引に向けて、各社が仕組みづくりに乗り出しているという状況もあります。また、2017年中にビットコインの先物取引の開始を目指しているシカゴ・マーカンタイル取引所ですが、値幅制限の導入を検討していることがわかっています。

編集後記

いかがだったでしょうか。市場規模と流動性という観点から、ビットコインの価格変動の激しさを確認してみました。確かにビットコインには価格が不安定というリスクはありますが、投資商品として考えた場合、このリスクはメリットでもあります。短期間で価格が大きく動くということは、その変動を上手く利用すると、大きな利益に繋げられる可能性もあるのです。ビットコインのこの性質を、チャンスと取るか、リスクと取るかは、それぞれのスタンスといえるのではないでしょうか。

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ビットコイン新聞社編集部です。どんな生活をしている人間がこのサイトを運営しているのか気になる人はインスタグラムをご覧ください。編集部の日常を公開しております。仮想通貨の運用は全員合わせても3000万円程度です。保有銘柄はBTC、BCH、BTG、XRP、LTC、ADA、DOGE、ETH、XMR、XEM、TRX、XP、PAC、TIRG、その他には「Bankera」などのICOにもたくさん投資しております。

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