社説

Segwit2xハードフォークの凍結でビットコインの未来がどう変わるのか?

そもそもSegwit2xハードフォークって何なのかという疑問があるかと思います。まずはSegwitについてご説明します。Segwitとはビットコインのキモであるブロックチェーンのブロックに保管される情報量を圧縮することを指します。

パソコンで言えば何かしらのデータを圧縮することと同じです。ビットコインのブロックのサイズは1MBですが、需要が高くなりすぎて膨大な情報を管理しなければならなくなった結果、取引をスムーズに行えなくなりました。そこで、ブロックあたりに入る情報を圧縮するSegwitをすることで、解決をするようにしました。

ブロックサイズを2倍にすることがSegwit2x

Segwitで対応することに限界が出てきたため、1ブロックのサイズを1MBから2MBにしようという提案が出てきました。Segwitの2倍のサイズにすることからSegwit2xと命名されています。

ブロックサイズの変更はハードフォークの対象になるためビットコインの分裂を引き起こします。ビットコインキャッシュのようにハードフォークによる分裂でビットコインと同数の付与がされた例を見ると良いイメージがあるかもしれませんが、ことはそう簡単には行きません。

Segwit2xが凍結された理由

ブロックサイズを大きくし、取引をスムーズにすることは一見するとやるべきでは?と思うかもしれません。しかし、これにはマイニングをしている方であるマイナーの思惑が絡んでいました。ビットコインのデータを保管する役割を持つマイナーは補完する代わりにビットコインを報酬としてもらいます。Segwit2xになることでスムーズな取引と2倍サイズになったブロックでより多くのビットコインの報酬をもらえます。

マイナーにとってメリットがあるが、リプレイアタックのデメリットがある

実はSegwit2x自身には問題点があり、リプレイアタックによる問題点を抱えています。リプレイアタックについては簡単な例を用いて紹介します。ハードフォークによって分裂されたブロックチェーンAとBがあったとします。田中さんがブロックチェーンAで山田さんに送金をしたとします。山田さんは受け取る際にブロックチェーンBで実行するとAとB両方のブロックチェーンで送金してしまうことになります。つまり、2重に送金してしまう可能性が出てきます。これがリプレイアタックです。

このようなことが起これば、大変です。仮想通貨の資産保護がほぼ不可能になるためです。Segwit2xはリプレイアタックの対応がされていないことにより、マイナーがSegwit2xを望んでも、取引所やウォレットを提供する会社、ユーザーなどが望むことはないでしょう。Segwit2xが凍結された理由はまさにこの問題です。

Segwit2xの今後

Segwit2xは現状では凍結されてもおかしくないことがわかりましたが、ビットコインのブロックサイズの問題(スケーラビティ問題)は今後の課題でもあります。Segwit2xはリプレイアタックのセキュリティ対策が万全でないことから、凍結されました。今後は別の仕様変更をするかSegwit2xのセキュリティ対策を万全にしてから再度ハードフォークする可能性はあり得ます。

自身も知識を持つことが資産を守る上で重要

良心的な取引所や開発者であれば、ユーザーが一方的に損をすることはしないでしょうが、仮想通貨に関する情報や知識は投資するのであれば持つ必要があるでしょう。今後もビットコインに限らず、多くの仮想通貨で似た問題が出てくる可能性もあります。ビットコインの技術的な部分は難しい説明が多いですが、一つずつ適切な知識を入れていき上手に運用できるようにしましょう。

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ビットコイン新聞社編集部です。どんな生活をしている人間がこのサイトを運営しているのか気になる人はインスタグラムをご覧ください。編集部の日常を公開しております。仮想通貨の運用は全員合わせても3000万円程度です。保有銘柄はBTC、BCH、BTG、XRP、LTC、ADA、DOGE、ETH、XMR、XEM、TRX、XP、PAC、TIRG、その他には「Bankera」などのICOにもたくさん投資しております。

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